※数値は、2020年6月16日時点のものです
BLVとは?
バンガード・米国長期債券ETF(VANGUARD LONG-TERM BOND ETF)は、バークレイズ米国政府/クレジット浮動調整(10年超)インデックスのパフォーマンスへの連動を目指す。米国の長期投資適格債券市場への分散したエクスポージャーを提供する。このインデックスは、残存期間が10年超の米国債、政府機関債、社債および米国政府が保証する米国外の発行体による米ドル建て債券のパフォーマンスを測定する指数である。
長期の社債、10年超えの米国債、政府債が含まれており、資産ポートフォリオ「株式・債券・不動産・商品」などのジャンルのうち「債券」になります。さらに債券の中でも社債と国債に分かれる中、BLVは両方含まれている構成銘柄になります。よって、債券ポートフォリオに関しては、このBLV1つのETF銘柄で債券部分を担ってもらってもよい可能性がある、ETFと言えそうです。
分配回数・利回り
分配回数:毎月
分配利回り:3.06%
BVLも毎月分配。先日紹介しました社債ETFのVCLTも毎月でした。高配当株式ETFなどが年4回であることを考えると、配当で生活費を賄うイメージの方は、債券部分のクーポンをとっていくのが王道かもしれませんね。
経費率
0.05%
インデックスETFと比較しても経費率は安いです。経費率が安く、毎月分配で3%の利回りが確保されている。債券の魅力は、この部分にあります。
基準価格の推移
直近1年のチャートです。コロナ前の上げ相場は、2020年に入って急激に上がりましたね。これがなぜなのか・・・株式相場もちょうどピークだったわけですが、過熱感があったので株から債券への動きも同時に起こり、資金が流れたと解釈できそうです。ただ、それまでは全部株に流れていたから2019年8月~2020年1月までは、レンジ相場だったのかもしれません。
コロナショックで-22%の下落。株式と比較し若干、下げ幅が少ないイメージです。但し、直近の高値付近までの戻りはさすがに早く1か月程度で戻しています。その後、株式の上げ相場が続き108ドル近辺のレンジ相場になっています。
騰落率
アップルショック、コロナショックを乗り越えてトータルリターンでプラスなので本物です。債券でトータルリターンがマイナスになってしまう商品もありますが、そういったものだけは避けたいところです。持っているだけでお金が減るETFですからね。
BLVの上位構成銘柄
銘柄 | 純資産構成比率 | 償還日 | 額面 | 利率(%) |
---|---|---|---|---|
United States Treasury Note/Bond | 1.79500 % | 2048/11/15 | $ 151,670,700 | 3.38 |
United States Treasury Note/Bond | 1.68300 % | 2050/05/15 | $ 217,550,000 | 1.25 |
United States Treasury Note/Bond | 1.39800 % | 2047/08/15 | $ 132,995,800 | 2.75 |
United States Treasury Note/Bond | 1.39400 % | 2048/08/15 | $ 125,934,600 | 3.00 |
United States Treasury Note/Bond | 1.38600 % | 2048/02/15 | $ 125,720,000 | 3.00 |
United States Treasury Note/Bond | 1.35300 % | 2049/05/15 | $ 124,270,000 | 2.88 |
United States Treasury Note/Bond | 1.30400 % | 2047/11/15 | $ 123,745,600 | 2.75 |
United States Treasury Note/Bond | 1.29100 % | 2044/02/15 | $ 109,564,000 | 3.63 |
United States Treasury Note/Bond | 1.27600 % | 2048/05/15 | $ 113,086,200 | 3.13 |
United States Treasury Note/Bond | 1.26600 % | 2045/02/15 | $ 127,486,500 | 2.50 |
参考にならなくてすみません笑。全て米国債ですね上位10位は。長期の国債で組まれており、利率も今では物凄く債券価格が上がっているものばかりです。これを売って利益にしてほしいぐらいです。
BLV格付け別構成銘柄
国債が40%。社債が60%のポートフォリオです。もし、自分のポートフォリオが株式50%、債券50%であるならBLV1本で債券とした場合、実質「株式50%、社債30%、国債20%」となりますので、社債1本のETFと国債1本のETFを別々で買うよりまとめてBLVを選択する。と言うのもありかもしれれません。
BLVとVCLTの比較
緑線:【BLV】バンガード米国長期債券ETF
オレンジ線:【VCLT】バンガード米国長期社債ETF
前回、調べてみた社債一本のVCLTと言う社債ETFと比較してみました。今回のBLVにも社債が60%入っていますが、国債を入れることで値動きがどうなるかがよく分かるチャートです。コロナ前の相場では、社債の値動きによりほぼ同じ動きをしています。しかし、コロナショック時は違いました。国債と違い、社債1本のVCLTは、企業経営の不安からか株と同じぐらい下げています。その反面、今回の国債入りBLVは下げがマイルドに。その後の値動きでは、国債をポートフォリオに入れている特徴がよく出ています。
おわりに
緑線:【BLV】バンガード米国長期債券ETF
オレンジ線:【VCLT】バンガード米国長期社債ETF
〆として10年比較チャートです。BLVもVCLTもどちらも債券ですから、全体的に波をうち中央銀行が利下げした段階で価格が上がります。現状、FRBがゼロ金利政策を2年は維持すると言っていますから、このまま価格が高い位置でキープされる見込みです。いつ債券銘柄の価格が落ちるかと言えば、FRBが利上げする時でしょう。さらに上がるとすれば、マイナス金利の深堀だったりLIBOR廃止の影響がどうでるかと言ったところです。
BLVは、社債と国債のハイブリッドですからポートフォリオにどちらも組み入れたいと考えている人は、良いかもしれません。下げに強い国債と利回りが出る社債は、相性が良いかもしれません。但し、リバランスを社債と国債で両方ともやりたいとなると、やはり社債1本のETFと国債1本のETFを組み合わせる形しか無さそうです。