※数値は、2020年6月17日時点のものです
米国社債ETFを一通り調べ終わり、一応、ハイイールドも調べておこうかとHYGもレポートしていきたいと思います。今回扱うHYGは、資産ポートフォリオの中の株式・債券・不動産・商品などにおける債券の中の社債という商品になります。社債も格付けがあり、ハイイールド債は一般的にジャンク債と呼ばれ、デフォルト確率が高いものとなります。
HYGとは?
iシェアーズ iBoxx 米ドル建てハイイールド社債 ETF(iShares iBoxx $ High Yield Corporate Bond ETF)はMarkit iBoxx USD Liquid High Yield Index(同指数)の投資成果を目指すファンドである。同指数はルールズベースド型の指数で、インデックスプロバイダにより指定されたドル建ての売却可能の高利回り米国流動社債を含む。同インデックスは、大、中及び小時価総額の企業を含むことができ、消費者サービス、石油・ガス、金融、産業及びその他のセクターに投資する。同指数のコンポーネント及びこれらのコンポーネントの程度は特定の産業を表する。同ファンドは一般的に同指数の有価証券及び同指数の有価証券に実質的に類似のエクスポージャーを提供する投資にその資産の少なくとも90%を投資する。同ファンドの投資アドバイザーはBlackRock Fund Advisors (BFA)である。
分配回数・利回り
分配回数:毎月
分配利回り:5.25%
他の社債ETFと比較しても分配利回りは高めです。リスクが高い社債を多く含んでいるので、その分の利回りが高くなっているイメージです。HYGも毎月分配なので、FIREする際のベースとして土俵にのるかなと思われます。
経費率
0.49%
これが激高いわけです。HYGの難点は、ここだな~と思いますね。ここまで高くなければ、結構よさそうな気もしたのですが残念です。2年で約1%取られてしまうと債券ジャンルとしては非常に厳しいです。
基準価格の推移
HYGの特徴としては、上昇相場で価格が上がるわけでもない。ショック時には、価格が暴落する。暴落した後には、一応リバウンドがある。そんな感じでしょうか。5%の利払があるので、いつ買って暴落しても2年あればトータルリターンがプラスになってしまう。と言うちょっと変な商品ですね。ただ、2年待っているだけで何も得られないことを考えると選び難い気はします。
騰落率
直近1年のトータルリターンは、辛うじてプラスになっています。5年で年率4%、3年で年率3%、2年で2%とトータルリターン的には、プラスリターンになっていますので、タコ足配当ETFではないと言えます。使い方としては、FIREやアーリーリタイヤした後で暴落時にオールインで、配当だけで暮らしていくとか。そんな感じでしょうか。5,000万オールインでトータルリターンプラスをキープしながら、月20万円以上もらえます。
上位構成銘柄
銘柄名 | 保有比率(%) | 業種 | クーポン(%) |
BLK CSH FND TREASURY SL AGENCY | 0.72 | キャッシュ、デリバティブ等 | 0.19 |
ALTICE FRANCE SA (FRANCE) 144A | 0.6 | 通信 | 7.38 |
SPRINT CORP | 0.52 | 通信 | 7.88 |
TRANSDIGM INC 144A | 0.49 | 資本財 | 6.25 |
CENTENE CORPORATION | 0.38 | 保険業 | 4.63 |
CCO HOLDINGS LLC 144A | 0.37 | 通信 | 5.13 |
FORD MOTOR COMPANY | 0.36 | 景気循環消費 | 8.5 |
BAUSCH HEALTH COMPANIES INC 144A | 0.36 | 非景気循環間消費 | 6.13 |
FORD MOTOR COMPANY | 0.35 | 景気循環消費 | 9 |
CCO HOLDINGS LLC 144A | 0.35 | 通信 | 4.75 |
TEVA PHARMACEUTICAL FINANCE NETHER | 0.34 | 非景気循環間消費 | 3.15 |
スプリント、フォードモーターなどがあります。クーポンがヤバいですね。9%とか7%とか、さすがジャンク債・ハイイールド債と言ったところです。
格付け構成
HYG・VCLT・BLVの比較チャート
緑線:【HYG】iシェアーズ iBoxx USDハイイールド社債ETF
オレンジ線:【VCLT】バンガード米国長期社債ETF
茶線:【BLV】バンガード米国長期債券ETF
米国債券ETFを調べてきた中で、おそらく今回のHYGより強いだろうな。と思うETFを直近1年チャートで比較してみました。こう見てしまうと【HYG】iシェアーズ iBoxx USDハイイールド社債ETFは、土俵から落ちてしまいますね。値動きが少ないもののショック時の下落は大きい。HYG自体の騰落率を見る限り、トータルリターンでマイナスにはなりませんので、悪い商品ではありませんがもっと良い商品があるというだけのようです。あえて選ぶ必要性がHYGには無いかなと。但し、SPYDを買っていた人がヤバいと思って、その代わりにHYGへシフトする。というのなら理解出来ます。片方は、株式+不動産の商品、片方は社債の商品でポートフォリオ的にスイッチする銘柄ではありませんが。
HYGのまとめ
トータルリターンがプラスキープが多い高配当ETFを探しているなら、今回のHYGはおススメです。SPYGより成績が良いですし。ただ、債券・社債のジャンルで言えばそれ以上にVCLTやBLVがあるので、個人的にはそちらが好きです。HYGの経費率が0.0X台まで下がったら土俵に乗ってくる商品かもしれまえん。