プライベートバンキングへの幻想とメリット・デメリット

プライベートバンキング

プライベートバンキング(ここで言うプライベートバンキングは、プライベートバンクと定義を分けています)を利用する前、プライベートバンキングへの果てしない妄想が広がっていました。何か知らぬ世界がプライベートバンカーにより開けるのだろうと。この妄想は、もろくも崩れるわけですが別にこの業種と職種をディスるわけではありません。私程度のレベルでは、単に使いこなせなかっただけです。

もっと言ってしまうと望むもの。節税、相続、承継、運用、融資、保全など人により年齢や資産規模、アセットなどで優先順位が変わってしまうのが当たり前です。よって、簡単に「あそこがいいらしいよ」とは言えないのです。これが友人同士であっても言えません。目的があれば別ですが、本当によい提案をするのであれば、その人の悩み・方針・家族構成・資産状況などを詳しく聞かないと提案出来ません。

このぐらいになるとファイナンシャルプランナーなどと言う資格保持者もほぼ役に立ちません。当たり前ですが無資格でも、プライベートバンキングを検討するぐらいの層であれば、一定の知識があり、相談できる人もおり、自分で探せる(ネットとリアルで)からです。但し、一発成金層だとそうもいきません。例えば、プロ〇〇選手。宝くじ当選者。IPO社員。など、これまで経済・金融・税制・法律の積み上げがなくお金を手にした方は別です。いずれによせ良いカモになるでしょう。

 

プライベートバンキングを使う目的

プライベートバンキングと目的

これは個人的な目的ですが、1つはやはり興味がありました。皆さんご存知の通り、国内の銀行口座へ一定の残高や入金があると、銀行からの電話や店頭での声掛けがあります。それをフックにグループのプライベートバンキング企業なり、担当者を紹介し囲い込むわけですがプッシュ型のところは、後でも試せるので外資系のプライベートバンキングを使ってみようと思いました。

探してみると数社出てきますが足切り残高とも呼べる金額が存在します。1億以上、2億以上、10億以上・・・・・。正直、100億ぐらいあれば10億ずつ預けてみて、体感値として金融サービスを比較できそうです。しかしながら、これは金額的・時間的に難しいですし、無駄。しかも、100億ある人間は、ブログなんか書きませんよね笑。細かくお金の管理する人は少ないと思います。それにそこに対して知的好奇心を持つ人はやっぱ少ない。

その中で個人資産で預けられるプライベートバンキングを1社決めて勉強しようと思いました。そして、これがやはり悪かったのですがゴール設定が無いので、使いきれないのです。例えば、増やしたい、減らしたくない、節税メインにしたい、融資を受けたい、上場するから資産管理をうまくしたい。などなど明確だと適切な質問が出来ます。

「10年でトータルリターン30%ぐらいの運用をしたい」

「絶対に減らしたくないが年1%のリターンはほしい」

「相続への準備と税金の最適化をしたい」

などです。今回、私も目的を設定しなければと思ったので、長期での運用をメインにしました。つまり、「普通の資産運用」です。トレードせずにポートフォリオを決めて、商品を購入し、原則ホールドする。そのような運用です。プライベートバンカーにとっては、私のような買い替えもせず金額も増える予定もない客は、カモりがいがありません。

 

プライベートバンキングで勧められた商品

プライベートバンキングと商品

上記のような目的でアカウントを開設。そして、最初に勧められた商品は、お決まりのとっかかりDCDです。詳しくは、リンク先記事で書いています。個人的にも超長期的には、ドル優位であり選択商品もドルのほうが多いと思いますので、ドル転する事に対しては何も違和感がありませんでした。

ネット証券で売っているような商品は、全て試して来ましたし、勉強名目でもなく運用しておりました。1つは、プライベートバンキングでやっている投資信託。もう1つは、聞いたこともない指数に対するワラント証券です。

「ほ~こういうものを勧めてくるんだ」と感動すら覚えました。とりあえずネット証券では出てこないものなので、興味深かったです。ただ、自分が理解できない商品を買っても人に説明できないばかりか、アホですよね。中身の分からない企業をM&Aする馬鹿はいないように、中身が分からない金融商品を買うのは馬鹿です。

どちらも数時間かけて勉強しました。それこそリターンをシミュレーションし、期待値もだした結果、ワラント証券はリスクが高すぎてボツ確定の商品でした。何かと合わせてヘッジに使うか、ポートフォリオの1つにする程度。ただ、それにリターンもトータルリターンで考えるとS&P 500に投資した方がよいなと感じる利回りでした。

ファンドに関しては、バランス型のポートフォリオで手数料が激高い。買付手数料1%+年間運用手数料1%。今だったら絶対に買わない代物です。そして、手数料やこちらの間接的な損失が、プライベートバンクの収益源となっている構図も理解する為に計算しました。

顧客1人の取引で手数料をいくら稼げるのか?1回の対面MTGに付き、原価が60万(時給20万)。であれば1回の面談で期待リターンが60万以上ないと無駄。投資額1億円の1%で100万ですから、私の取引や購入商品でいくらプライベートバンキングに渡っているか計算しました。結果、初年度は1,200万ほど渡している計算になりました。

プライベートバンキングは、儲かるな~と思ったものです。基本的にこのやり取りだけで考えれば、売れなければ売上がゼロなだけでリターンが物凄い。それに伴い、私の目的である「運用」で考えた場合、初年度1,200万円払った価値はあったのか?と振り返るわけです。そもそも個人的には、勉強目的のプライベートバンキングでしたから勉強代となるわけです・・・。

 

プライベートバンキングのメリットとデメリット

プライベートバンキングのメリット・デメリット

メリットを考えた時にやはり人によって違うな。と言うのが分かりました。人により資産規模や進路、年齢も違う為、一概に誰かのメリットが誰かのメリットになるかと言えばそうでもありません。ここでは、私なりのメリット・デメリットをいくつかご紹介したいと思います。

手数料が高額

プライベートバンキングの利益を見ても分かりますし、プライベートバンカーの報酬を見ても分かりますが、儲かっている業界です。儲けの内訳は、自己取引・取引手数料・融資などがありますが取引手数料は、結構高いです。

例えば、ネット証券でも買える日本個別株やアメリカ個別株にETFやRIET。買付手数料がプライべートバンキングの場合、必ず発生します。ネット証券も無料化の波が来ていますが、商品によっては売買手数料がかかります。売買手数料なので往復になりますから、取引をすればするほど資産は減っていきます。

1%の取引手数料の場合、1,000万分のETFを購入すると10万円かかります。売却すると10万円かかります。割合にすると往復で2%。トータルリターンベースで2%減りますので、なかなか苦しいところです。資産を減らさない運用をしようとすると、もはや使ってはいけないレベルになります。

情報

メリットになるか分かりませんが、プライベートバンキングやプライベートバンカーからの情報は、初耳の事も個人的に多く勉強になりました。ただ、それで直接的なメリットがあったかと言うと私は活かしきれていませんでした。酒のつまみになるような話はあっても、関係の無い話になってしまいます。例えば、100億持っていないと出来ないスキーム。上場オーナーとして自社株を大量に持っていると出来るスキーム。これらを知ったところで、出来ない人には関係がないのと同じ話です。こういった類の話がよくありました。それは私の資産レベルが低いからでもあり、世間的には若造であるからです。

また、時に素晴らしい商品や情報を持ってきてくれます笑。やはり人間同士の探り合い。どちらかと言うとバンカーとは、ビジネスですね。お客と言うよりも。そういった感覚で接したほうがお互い良いかもしれません。顧客の目標を達成できるように、適切な提案をしてもらい、最終的には自分で全て調べて納得の上で実行する。アドバイスに関しても、自分で調べてから決済する。それに対する報酬が手数料になっている構図です。

 

商品

ネット証券やネットバンクと比較したら、商品は圧倒的に違います(外資系プライベートバンキング)。また、「こういう商品が欲しいのだけど」と言えば、作ってくれます。ここに関しては、手数料分高いのですが「絶対にこれだ」「自分の事業にはこのヘッジが必要」と言うものをもっている投資家は、使いこなせると思います。但し、豊富なラインナップや作りこまれたスキームが、必ずしも顧客にとって良いものであるとは限りません。

また、債券(社債、国債)に関しても、ネット証券と比較にならないほど揃ってますので、これも結構メリット大きいなと思います。世界的に有名で成長中の企業の社債など、やはりネット証券では買えません。コロナ禍でも安心できる企業の社債と国債を買い、それ以前からホールドしている資産を減らさない為の運用をしている投資家も多いです。

 

融資

融資に関してもネットバンクと比較すると1~4%利息が安いなと思いました。基本的には、プライベートバンキングに預けている資産を担保に借入がメジャーですので、与信枠を予め確定しておいて、好きな時に融資を実行出来るようにしておくのが通常。大体の場合において資産価格の6割で考えておけば設定枠としてはそのぐらい。

100億の商品を保有しており、枠を確保するなら60億ぐらい。と言う事になります。資金使途に関しては、借入時に審査と証明が必要になりますから、60億でビルを買う。と言った場合、申請と共に100億円の金融商品が担保に入り、不動産売買契約書を提出するイメージです。

融資に関しては、各資産家のポリシーが色濃く出る部分であり、借金を絶対悪と考える方もいれば、必要に応じて効果ありと考える人もいます。担保枠MAXで組むと担保価値の下落で追証もしくは、資産売却が必要になるので、本当に必要な時に30%~40%で借入がよいかもしれません。

例えば、コロナで多くのセグメントの資産が30%前後暴落した際に、買い増ししようとします。その時に手元資金があれば良いのですが、無い場合に借入を使う事もできます。こういうシーンでも投資家によっては、融資をしてそれを投入し、半値戻しで決済し返済するなどルールを決めていればうまく融資を使えると思います。この時に与信枠をフルに使ってしまっていた場合、チャンスを活かせませんし、かなり危険でもあります。暴落時に評価額が担保割れし、決済しなければならないとなると損切しなければなりませんから。

 

契約・注文・決済の方法

書面、郵送、FAX、電話など色々な部分で昭和なやり方が残っています。おそらく、デジタル化への移行に関し、情報漏洩や顧客の離反があるからだろうなと個人的には考えています。電話もFAXもアメリカに傍受されているので、あまり秘匿性に関して言っても意味がないと思うのですが、一部の大顧客に関しては重要なのかもしれません。やろうと思えば、ネット証券やネットバンク並みに出来るお金はあるわけですから。

ただ、狼狽売りが結果的にしにくくなっているので、その点防げます笑。逆に損切り出来ずに悪化するリスクも同時にあるわけですが。また、必ず人が介在するので、感情が入ってしまう人には向いていない仕組みです。プライドがあって売れない。迷惑をかけるから売れない。恥ずかしくて買えない。この部分が気になってしまう人は、辞めたほうがよいです。

また、アナログが故、提案ではなく営業してくるプライベートバンキングの場合、断る事に抵抗がある人も向いていません。付き合いで買ってしまう人、付き合いで買えるぐらいの資産が無い人には、デメリットとなるでしょう。

そう考えると熟考に熟考を重ねた商品を選び、適切な場面で買いを入れてホールドする。この方法がプライベートバンキングだとベストです。

プライベートバンキングのまとめ

個人的には、まだ使っていますがある程度、自分なりのベストが見えてきたので、ネット証券とネットバンクで資産管理を構築しつつあります。結構、資産規模で考えても1億~1,000億まで、幅広くプライベートバンキングは使える要素があるので、やはり目的をしっかり決めて利用するのが一番ですね。当たり前ではあると思うのですが。

あと、資産が30億以上ある方は、分散してアカウントを開設し、時間をかけて商品や対応を見ていくのも手かなと。手間は開設時ぐらいなので。プライベートバンカーも担当が変わったりしますが、各社の社風が良い意味でも悪い意味でも担当者に出るので、傾向はつかめるはずです。さらに同じような商品や取引である場合、条件が各プライベートバンキングで比較できるのでそれも良いです。

根本的に使いきれるかどうかは、資産規模に比例すると思います。少なければそんなに使えませんし、多ければ使えるところがいっぱいあるからです。また、運用だけに限って言えば、債券や海外投資信託、奇怪な商品を買わないのであればネット証券で十分です。自分でやる事になりますが、トレードしたとしても買いっぱなしでも対応可能ですし、手数料はプライベートバンキングで払う分の半分以下でしょう。

もしかしたら、ニューリッチ層には、ネット証券で十分かもしれません。このままプライベートバンク業界が50歳、60歳以上をメインにしたサービスを続けていると20代~40代の顧客が取り込めなくなる可能性もあります。

個人的には、プライベートバンキングがネット化した時、大量に顧客が増えるはずだと考えています。例えば、1口最低2,000万円の商品を買うような顧客は、今はほぼ必ずプライベートバンキングを使っているでしょう。大口顧客向けのネット証券会社もあるかもしれません。これがネット上でやりとり出来るのであれば、その層のかなりが流れるはずです。

これからプライベートバンキングを検討している方で、もし使うのであれば、最低預入残高にとどめておき様子をみましょう。最初から1社にオールインしてはダメです。海外、日本のプライベートバンキングを交えつつ見てみると面白いです。

最後に復習として・・・顧客自身に能力が無ければ使いきれません。自分自身でやはり勉強していく必要があります。任せっきりはいけません。勧められた商品を買う必要はありません。いつでも資金を引き揚げられるような取引、ポートフォリオも必要です。ネット証券ではなく、プライベートバンクを利用する目的は何なのか常にチェックしましょう。

 

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