※数値は、2020年6月15日時点のものです
米国ETFを勉強もせず、数年S&P500銘柄一本で来た時にQQQを知り、「え、まだ知らないこんな商品があったんだ!」と感動したのを覚えています。米国個別株をやらずETFでポートフォリオを組んでいる人は、QQQを入れておくと戻り相場や上げ相場の主役・他資産のヘッジになる可能性があります。
QQQとは?
インベスコ QQQ 信託シリーズ1(Invesco QQQ Trust Series 1)はナスダック100指数(Nasdaq-100 Index)(同指数)の構成証券の全てを保有する。同信託の投資目的は同指数の価格・利回り実績に連動する投資成果を提供すること。
そもそもインベスコってなんですの。というところでインベスコ・リミテッド Invesco Ltd.は、アメリカを本拠地とする独立系資産運用会社で、世界20カ国以上の拠点で資産運用サービスを展開している企業です。ニューヨーク証券取引所に上場し、インベスコ自体がS&P500種株価指数の採用銘柄にもなっています。
こう見るとS&P500に含まれているので、S&P500の商品を買っていれば間接的に投資していることになりそうです。ここも投資の面白いところ。ナスダック指数100は、ナスダック市場に上場する3,000社のうち金融を除く時価総額上位100社から算出される指数となります。また、上場から2年以上経過している銘柄に限定。銘柄の組み換えは、毎年12月に実施。
逆に言ってしまうと上場からの2年間、爆上げベンチャーの上りは享受できていない。また、上場から2年で爆下げするベンチャーの影響は受けない。と言う事で、もしQQQと合わせて持つのであれば、上場後のベンチャーをスクリーニングしていくだけになりますから楽ですね。
分配回数・利回り
分配回数:年4回(3月、6月、9月、12月)
分配利回り:0.60%
QQQでは、分配利回り狙いではなく純粋にキャピタルゲイン狙いとなる商品です。コロナで下がったところでこの利回りですので、市況が上昇局面になれば0.5%前後となりそうです。
経費率(Total Expense Ratio)
0.2%
若干高めです。S&P 500の銘柄3種類を比較(IVV・VOO・SPY)でも紹介した通り、S&P500指数の投資商品であれば、0.0●%がほとんどです。そう考えると手数料は、それらの3倍~4倍近い計算となります。また、グロース株のETFとして他にもSPYGがありますが、0.04%であるのでQQQは手数料が高いと言えます。経費率と分配利回りを考慮すると配当は全く期待できない商品でもあります。
基準価格の推移
コロナショック時の下落率は、約28%。他の商品と比較しても普通の下落率です。コロナショックから3か月半で全戻しで最高値をマークしました。パウエルショックで今後どうなるのか?という展開ですが、レンジ相場であればどの銘柄もレンジで上下しますし、下落しても下落幅は、QQQに関して小さいのでホールドで良さそうです。さらに戻りも他の商品と比較し早いですから、QQQにおいて狼狽売りは絶対に避けたいETFと言えそうです。
直近5年の騰落率
さすがのQQQですね。上昇相場での強さがやはりハンパないです。年リターン20%以上ですから、コロナショック前の長期上昇相場でQQQにぶっこんでいた人は、5年で資産が倍になってたわけです。1,000万の人は、2,000万に。1億の人は2億になっているわけです・・・・・。ここまで調べてみてQQQを株式としてのポートフォリオに組み込むのは、全然ありですね。年0.2%の手数料も誤差の範囲で霞んでしまいます。
QQQ構成銘柄
AAPL | Apple Inc | 11.87 |
MSFT | Microsoft Corp | 11.43 |
AMZN | Amazon.com Inc | 10.14 |
FB | Facebook Inc | 4.40 |
GOOGL | Alphabet Inc | 3.89 |
GOOG | Alphabet Inc | 3.86 |
INTC | Intel Corp | 2.59 |
NVDA | NVIDIA Corp | 2.23 |
ADBE | Adobe Inc | 2.01 |
CSCO | Cisco Systems Inc | 1.95 |
上位10銘柄で約50%を超えています。大型グロース株ETFでは、似たような銘柄構成になりやすいですね。情報、通信セクターだけで6割を超えます。
QQQ vs VOO
ナスダック100指数とS&P500銘柄のVOOを比較してみたチャートです。
緑線:QQQインベスコ QQQ トラスト シリーズ1 ET
オレンジ線:VOO Vanguard 500 Index Fund ETF
何故、VOOと比較してあるかについては、一般的なS&P500指数のETFと言う事で比較対象にしてあります。より分かりやすくなるように。
コロナショックでQQQは、35%程度下落しました。VOOに関しては40%程度の下落です。QQQは、ショック時の暴落が無かったことになりましたがVOOは、未だに取り戻すことが出来ていません。これも大型グロース株の特徴が出ており、1年前に同じ商品へ投資していた場合、たった1年で20%以上の運用益の差が出ている計算になります。
結局、相場が悲観的になって暴落しても、少しでも雰囲気が改善しだすと絶対になくならないであろう銘柄から買いが入るということです。QQQの構成銘柄の50%以上がそういった銘柄ですから、戻りも上げも早いということになります。
QQQのまとめ
緑線:QQQインベスコ QQQ トラスト シリーズ1 ET
オレンジ線:VOO Vanguard 500 Index Fund ETF
まとめとして5年前をゼロとした場合のQQQとVOOのトータルリターングラフで比較してみました。配当利回り、手数料を考慮しても正直、これだけ差が出るとは思いませんでした。5年のトータルリターンは、QQQが100%。VOOは35%。QQQは、年率20%ですから驚異的です・・・。指数投資でここまでとは。
あまりに良過ぎてどこか落とし穴があるのではないか。と思ってしまいます。ちなみに10年リターンで見るとQQQが400%。VOOが150%です。
う~ん。これだけ明確な結果が出てしまうとQQQが人気、支持されるのもうなづけてしまいます。今後、コロナ後に景気が停滞する期間の投資、その後の成長を考えてみても、買えるのであれば買い増ししても良いかなと思いますが、アップルショック時は戻りに1年。その後、停滞。正味上昇するまで2年を要しています。
コロナ禍での投資であれば、暫くは別のインカム系商品を購入し、その間をクーポンでカバー。ナスダック100指数がコロナショック前に戻った時点で、買い増し開始でも遅くないかもしれないです。
にしてもQQQ。10年で資産4倍は凄すぎる・・・。