※数値は、2020年6月14日時点のものです
遂に来ましたグロース株式のETF。ワクワクします。米国株式ETF高配当ランキング(上場株式編)にて高配当銘柄の調査が終わりました。個人的に今の自分のフェーズでは、株式の高配当銘柄はポートフォリオに不要と言う判断になりました(持っているものもありますが買い増しせず)。さっそくSPYGについて見ていきたいと思います。その前に通常のSP&500銘柄については、S&P 500の銘柄3種類を比較(IVV・VOO・SPY)にてまとめてあります。
SPYGとは?
SPDR ポートフォリオS&P 500 グロース株式ETF(SPDR Portfolio S&P 500 Growth ETF)は、S&P500グロース指数(同指数)のトータルリターン(経費控除前)のパフォーマンスに概ね連動する投資成果を上げることを目標とする。同指数は、米国株式市場の大型株式におけるグロース・セグメントのパフォーマンスを計測する指数である。
S&P500銘柄すべてに投資するわけではなく、大型株式(時価総額が高い)でグロース(成長性が高い)銘柄に限定しているということです。想像するにS&P500全部ではなく、一部なので基準価格の上下が激しくなりそうですね。つまり、リスクリターンが高い可能性があります。組み入れ銘柄数は、270で50%が含まれています。500からさらに大型で成長性が高いものへ投資しているということですね。
分配回数・利回り
分配回数:年4回(3月、6月、9月、12月)
分配利回り:1.29%
もはやグロース系になれば、分配利回りがさほど重要ではないかとは思いますが、年4回で1%弱が分配されます。通常のS&Pが2%前後ですからそれと比較してしまうと低いです。ただ、成長性が高いことでカバーされているはずですので見ていきましょう。
手数料
0.04%
グロース系でも0.04と低い経費率です。通常のS&Pでも0.03ぐらいですのでほぼ変わらないですね。よって、比較する際に経費率も気にならなそうです。
基準価格の推移
コロナショック前の3か月で10%以上伸ばしてきたのは、さすがグロース型と言った感じです。コロナショックでの下落幅-33%でしたが3か月程度で戻しました。上昇相場ではしっかり上がり、下落相場からの戻りも早い。
騰落率
コロナが無かったことになっています。年平均リターンは、直近5年で何れも10%超え。今後、実体経済と金融市場との乖離が是正されたとしても、トータルリターンはプラスで維持される可能性が高そうです。最終的には、お金が市場に戻ってきてSPYGのようにグロース銘柄から先に価格が上がりますので、500銘柄よりもその点有利です。
SPYGの上位構成銘柄
Microsoft Corporation | 3,720,876 | 9.71% |
Apple Inc. | 2,037,042 | 9.59% |
Amazon.com Inc. | 203,206 | 7.28% |
Facebook Inc. Class A | 1,174,177 | 3.69% |
Alphabet Inc. Class A | 146,164 | 2.87% |
Alphabet Inc. Class C | 145,851 | 2.87% |
Visa Inc. Class A | 835,089 | 2.21% |
Mastercard Incorporated Class A | 432,887 | 1.77% |
NVIDIA Corporation | 298,456 | 1.47% |
Adobe Inc. | 235,996 | 1.28% |
解体される可能性はあっても、無くならない銘柄ばかりのような気もします。あり得るとすれば、クレジットカードが消えスマホ決済、QR決済、デビット決済などフィンテック系の化学変化で、こういたクレジットカードブランドのパイが減少することはあるかもしれません。NVIDIAに関しても特許や何か技術的な変異で突然、他に食われる可能性も。だとしても、全体の2%程度ですから基準価格が2%全て下がったとしても、ETFでは大きな影響が無いのがありがたいところです。
SPYGの業種別セクター
情報技術 | 39.40% |
一般消費財・サービス | 14.60% |
コミュニケーション・サービス | 13.07% |
ヘルスケア | 10.40% |
資本財・サービス | 7.11% |
金融 | 4.61% |
生活必需品 | 4.56% |
不動産 | 2.62% |
素材 | 2.18% |
エネルギー | 0.75% |
公益事業 | 0.69% |
情報技術、TI関連で4割です。DXがまだいきわたっていない業界もありますし、AIの力や技術の進歩でまだまだ現役である業界。今後20年程度で考えても大丈夫だろうなと思うセクターですから、グロース株にふさわしいのは間違いないようです。
SPYGとSPYの比較
緑線:【SPYG】SPDRポートフォリオS&P500グロース株式ETF
オレンジ線:【SPY】S&P 500の銘柄3種類を比較(IVV・VOO・SPY)
便宜上、同じSPDRに揃えてあります。緑線が本記事で解説してきたSPYGです。オレンジ線は、通常のS&P500銘柄のSPYです。相場が過熱状態だった2019年台。パフォーマンスは、SPYのほうが全体的に上回っていました。それ以前では、さほど差がつきません。相場の最終局面では、銘柄の物色感が強く幅広いS&P500銘柄に職種が伸び、SPYが上昇したのだと考えています。そして、コロナ前に最後のバブル感としてグロース銘柄へさらに資金が流入し、SPYGが上昇した。そんな感じでしょうか。
コロナショックの下落局面では、SPYGも一緒に下落するも下げ幅で言うとS&P500全体から資金が抜け、数%の差が出ました。グロース株は「いずれ戻るだろう」と思った投資家が買いを入れ、SPYGの下げ止まりが早期に効いた印象です。その後、爆上げの戻り相場で差が付きました。グロース株が主に買われ、それ以外の銘柄が後から買われて上がってくる構図になっています。
その後、パウエルショックによりまた下げました。その際には、SPYのほうが下落幅が-15%と大きめ。おそらくこの後の戻り相場、もしくはレンジ相場であっても早く戻るのは、グロース株銘柄で構成されるSPYGだと考えられます。
おわりに
VOO・SPY・IVVなどのS&P500銘柄の投資は、日本人にもかなり浸透しました。投資信託でも買付手数料無料のS&P500指数投資が買われています。その先にこのグロース系銘柄だけを取り入れたSPYGなどがあるというイメージです。個人的には、VOOやSPYを持っていてグロース系の銘柄が無い場合、買うものをグロース系にシフトしても良いのかなと。両方持っておくと重複する部分もありますが、値動きがマイルドになります。リスクリターンがより年次でぶれなくなるという意味です。
また、これから買付を始めようかと検討している場合、ライフステージや投下金額にもよりますが、値動きがどちらへ行くか見極めずらい為、大統領選までは、分散投資が良いかもしれません。SPYかSPYGかと言う話では、戻りも早く上げも早いSPYGがポートフォリオ(株式、債券、不動産、商品)上の株式として値上がりを追求するという意味で、SPYGが良いかもしれません。