「だから、居場所が欲しかった。 バンコク、コールセンターで働く日本人」を読んでの感想

だから、居場所が欲しかった。 バンコク、コールセンターで働く日本人
だから、居場所が欲しかった。 バンコク、コールセンターで働く日本人

 

この本を読んでルポ系と言うかノンフィクション面白いなと感じてしまった一冊。

もう私の記憶には、ある部分の記述しか記憶になく、コールセンターで働く日本人と言うくくりも押しのけ、タイで人間の根本的な欲求である愛や性に実直にあたっていく人々の内容が読了して残った記憶。

こればっかりは、読み手によって記憶に残る部分が違うであろうから予め付け加えておく。

 

【概要】
「お電話ありがとうございます。○○社の△△です。ご注文ですか?」
陽光溢れる、東南アジアのタイ、バンコク。高層ビルの一角にあるコールセンターでひたすら電話を受ける日本人がいる。非正規労働者、借金苦から夜逃げした者、風俗にハマって妊娠した女、LGBTの男女……。息苦しい日本を離れて、彼らが求めたのは自分の「居場所」。フィリピン在住の開高賞作家が日本の現実をあぶりだす問題作。

 

【目次】
第1章 「非正規」の居場所
学校時代、いじめに悩み、卒業後に非正規労働を繰り返した吉川は、バンコクでDJの道を目指すが……。
第2章 一家夜逃げ
10歳上のタイ人の妻を持つ世渡り下手な本田は仕事に追い詰められ、借金を残したまま一家でタイに渡る。
第3章 明暗
コールセンターを踏み台にステップアップした丸山。困窮邦人へと転落する関根。明暗を分けるものとは。
第4章 男にハマる女たち
バンコクのゴーゴーボーイ(ブリーフ姿の若いタイ人男性らがステージで踊る連れ出しバー)にハマってしまう女たちがいる。シングルマザーとなった青山、藤原姉妹はそれぞれゴーゴーボーイと結婚して海外移住する。
第5章 日陰の存在
日本ではまだまだ許容されているとは言えないLGBTの人々。一見許容度の高いタイのでコールセンターで働きつつ、居場所を模索する。家族との軋轢で悩む高木。風俗嬢の仕事まで経験したレスビアンの堀田。性転換を果たした水野。果たして彼らに居場所はあるのか。

 

【著者プロフィール】
水谷 竹秀(みずたに たけひで) ノンフィクションライター。1975年三重県桑名市生まれ。上智大学外国語学部卒。新聞記者、カメラマンを経てフリーに。現在フィリピンを拠点に活動し、月刊誌や週刊誌などに寄稿。2011『日本を捨てた男たち フィリピンに生きる困窮邦人』(集英社)で第9回開高健ノンフィクション賞を受賞。著書に『脱出老人 フィリピン移住に最後の人生を賭ける日本人たち』(小学館)がある。
内容(「BOOK」データベースより)

 

振り返ると「普通の」話が無いのは、もちろんこういった貧困や家庭環境に課題がある人の話しかない。もちろん、普通の人と言うと語弊があるかもしれないが、ひょんなことがきっかけでバンコクで暮らす日本人もいるのだろう。

1つ不思議なのが真っ当な普通の人間が果たして海外で暮らす決断をするのかどうか。これが気になった。個人的には、起業している身。今思えば、ADHDの傾向とASDの傾向を持ち合わせていたからこそ、起業と言うリスクを取り、人の気持ちをあまり考えず、事業に邁進してしまった。と言う見方も出来る。

 

そう考えていくと起業と海外に出て行ってしまう事。これは、ちょっと個人的に似ているのではないかと思ったりする。どちらも冷静に考えると無謀であり、リスクも多く抱えている。どちらも環境を変える決断であり、その決断からは、現状を少しでも変えたいからである。

タイでは、未だに物価が日本より安いようで月10万前後の給料で暮らしていける。ただ、本書に出てくる登場人物のほとんどがお金があまり無い。さらにお金を突っ込んでいるものが性に関する事。LGBTでの手術や性交。同性での性交。物価が安い事からもセックスも安く買える。

 

人の支配欲だったり、性的欲求を満たす事にハマってしまい抜けられなくなる人。薬をやってしまう人。人間だれしも何かに依存する傾向があるし、ジャンルも度合いも人それぞれ違う。母体が多きければ、国や行政が動き法律や制度が生まれるが、よりマイノリティにはそういった救済措置はない。つまり、よりマイノリティであるが故にセーフティ―ネットが無いのだ。

 

男が女を買う。女が男を買う。男が男を買う。女が女を買う・・・・・

 

性に関してあまり寛容ではないお国柄の日本で、開放的なタイ・バンコクで体験しのめりこんでしまう。ありえるな~とつくづく思う。自分も本書をきっかけに行ってみたいと思ってしまう。そして、行こうと思えば実際にいけてしまう。行ってみた結果、ハマってしまい妻にばれて離婚。その後、バンコクへ移住し崩壊した生活を送る。

そんなシナリオはすぐ描ける・・・

 

人間だれしもどこかで脱線してしまう機会はごまんとある。衝動的な人間であれば、より多いだろう。本書に出てくる登場人物も少なくとも、発達障害だったり何らかの疾患を抱えている可能性が十分にある。

結局、個性とはよく言ったもので、音の波長と同じように、振れ幅が大きければ大きいほど、元の真ん中に戻る力は大きくなる。大きくなった結果、そこで病んでしまうというのは大いに考えられる。

 

ただ、最後に本書を読んでこれだけは言っておきたいが、少なくともこの日本と言う国や国民性が合わずに、タイ・バンコクに移住して、充実した生活や人生を送り素晴らしいライフで全うした人間をいるであろうと言う事。どのぐらいの割合かは全く分からないが、全員が全員失敗しているというわけではない。むしろそう考えると焦点の合わせ方によって、人間どちらの方向からも結果を決める事が出来る。

 

どういったシナリオを選ぶかは、まさに自分が握っている。

 

※時代は変わり、文化も変わる。法律も変わっていく。ずっとバンコクにこのようなエリア。そして、日本人がいるとは限らない。出版時はこうだったという事で〆。

 

 

 

だから、居場所が欲しかった。 バンコク、コールセンターで働く日本人
だから、居場所が欲しかった。 バンコク、コールセンターで働く日本人

単行本: 288ページ
出版社: 集英社 (2017/9/26)
言語: 日本語
ISBN-10: 4087816338
ISBN-13: 978-4087816334
発売日: 2017/9/26

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