FIREとは?~Vol.1~

FIRE

FIREとは、 Financial Independence, Retire Earlyの頭文字を取ったもので経済的自立と早期リタイアメントを意味している。起源としては、1990年代にVicki RobinやJoe Dominguez。2010年代にJacob Lund Fiskerなどのアイデアや作品がベースとなっているようだ。

FIREムーブメントに関しては、色々な解釈が出来る為、これと言って特定のスタイルや方法論があるわけではない。思い思い、人それぞれのFIREがあって然るべきで、この方法だからFIREじゃない。このスタイルだからFIREではない。と言う事ではない為、自分自身の「FIRE」を見つけて欲しいと思う。

これからは、個人的な解釈を含めながらFIREとは一体どんな概念なのかまとめてみたい。

FIREの両輪

FIRE(Financial Independence, Retire Early)の頭文字に見るように、FIとREに言葉が分かれている事からもFIによって、REを実現する事が分かる。まずは、そこから考えてみよう。

FI(Financial Independence)経済的自立について

FI(Financial Independence)、つまり経済的自立に関しては、簡単に言ってしまえば「お金に困っていない」と言う事だ。但し、注意しなければいけないのは、人によってその度合い(金額)が大きく異なるという事、そして、主観的にお金に対して不足感を感じていない事があげられるだろう。

さらに個人的な見解では、FIの実現期間が「永遠」である必要は無いと考えている。FIREの議論となる部分だが「完全なるリタイア」を必ずしも目指す必要はない。つまり、FIREしたら一生FIREを継続する為のFIは、必ずしも不要と言う事だ。

どういう事かと言うと仮にあなたが月20万円で暮らせる場合、1年間に必要なFIは20万円×12カ月=240万円となる。10年であれば、2,400万が必要だ(運用や副業による増減はここでは考慮しない)。

この時、50歳や60歳なら良いかもしれないが、これが20代だったら40年・50年も考慮する必要がある。こうなっては、本来のFIREと言うライフスタイルが享受できない(実現できないからFIREを体験しない)。FIREは、数年だけでも絶大な人生へのリターンがあるからだ。FIは、人によってとりあえず必要な年数分あれば良いと私は考えている。「FIに必要な期間」は、後述する。

 

RE(Retire Early)について

RE(Retire Early)、アーリーリタイヤ(早期退職)。ここは、日本語だと語彙が難しいところだが退職のイメージは、あくまでサラリーマン的な労働者の臭いがしてしまう。詳細な語句定義よりも概念として、「RE=自分で全ての時間をコントロールできる状態」であると考えている。

どういう事か?何時に起きようがどこで何をしようが誰からも咎められず、フォーカスしたいものに自由にフォーカスできる状態だと考えている。FIREは、自由がベースにある。自分の人生の何かを判断する為に、「会社が」とか「時間が」などと外的要因を思考から完全に除外できる状態であるとも言える。

 

FIREは、ある一定期間のお金を気にすることなく、自分自身や家族にフォーカスし、人生をよりよく生きる為の「生き方の1つ」である。FIREと言うライフスタイルを通して、個々人が自分を分析し、家族と共に生き、次のステップへと向かう通過点なのだ。

 

FIREは何かがある無人島

FIRE無人島

「FIREを実現してみたい」と感じるには、ここまででは不十分かもしれない。しかしながら、これまであなたは「こういう生き方がありますよ」とセールスを受けた事があるだろうか?あるとすれば、このような話では無いだろうか。

  • いい大学にいけば人生バラ色
  • いい会社に就職すれば給料がいい
  • 公務員なら一生安泰
  • このまま一生懸命働けば〇〇のポジション
  • 結婚して子供を作り幸せに家族と暮らすのがベスト
  • 友達を多く作って人生をより楽しく
  • 生命保険と積立投資で生涯安心な暮らしを

残念ながらケースバイケースでそれで本当に幸せな人がいるのだから、否定する必要もないし肯定する必要もない。

しかしながら、これらはライフスタイルではなく、あくまでテクニック的な話になってしまっている。FIREが面白いのは、こういった事では無く、ほぼ100%自分や大切な人にフォーカスできる時間を自分で作る事に意味があるのだ。

「だったら1週間有休休暇を取って、どっかの島で暮らしてみるだけで十分だろ」「海外では1か月ほど休暇を取っているから、それで分かるのでは」と言った意見が出るのも事実。ただ、根本的に違う部分が戻らなければならない。と言う事だ。

戻る前提で何かをしていては、FIREと言う無人島にたどり着く前に帰ってしまうことに等しい。前述したように永遠にFIREを実現する為のFIは、必ずしも必要無いと書いた。FIの必要期間については、できれば5年以上欲しいところだ。

これは人によって異なるだろうが、「戻らなきゃ」「戻らないといけない」とどこかで思うようでは、FIREのメリットを最大限享受できない。だからこそ5年のFIは、用意する必要があると考えている。

もちろん、「それじゃFIREじゃないでしょ。リタイアメントがそもそも実現できていない。貯金を食いつぶしているだけだ」と言う声が出るのももっともだと思う。だが、そこに意味をおいては、金持ちの道楽やケチな仙人生活と変わらない。多くの人にFIREを体験してもらうことで、生産性があがり国が豊かになると考えている。よって、永久的なFIREに社会的価値はあまりない。

FIREの無人島へ上陸するには、最低限のFIが必要だ。経済的自立に必要な金額は、人によって全く異なる。では、上陸すると何が待っているのだろうか?答えは、何もないのだ。FIREは、労働やしがらみから逃げる事を目的としていない。よって、無人島へ上陸しただけでは、何もないのだ。

では、何故FIREを目指すのか?それは、何もないところから気付いたり引き出したりするマインドを創り上げることだ。思い出してほしい。小中高と駆け上がり、大学に就職。その中でみっちりとあなたは、よき国の奴隷として、労働者として仕立てられてきた人かもしれない。もしくは、コロナ禍で補助金や補償金を出せ!とFIの概念がなく、内部留保もないSNSで罵っている個人事業主や経営者かもしれない。

あなたが今、朝起きたら生きていると実感し、夜寝る前に幸せだと思い日々を暮らせるのであれば、FIREは必要ないだろう。むしろ、その人生が素晴らしく畏敬の念すら覚える。

ただ、現代社会において、何もしない時間を設けず一生を駆け抜ける人間だらけになり、それが当たり前で普通になってしまった。そうするとこういったFIREは、必ず色眼鏡で見られる。何故なら多くの人にとって、自己否定する事になるからだ。

「そんなことしなくても幸せ」「どうせ元の生活に戻るのが目に見えてる」「FIRE後が怖くて抜け出せない」「そんな貯金できない」などが多数派のはずだ。

無人島には何もないと言った。実は、FIREした人の多くが感じている事がある。それはここでは言及しない。例えば、出産立ち合いのような話。出産に立ち会ったことがある男とそうでない男。出産シーンを体験し、感じる事は多くの男性で一致している。感動しかない。自分の遺伝子をもった人間が生まれてくる瞬間。「立ち会ってよかった」とほとんどの男が声をそろえる。

そう。体験しないと分からない事は、世の中多い。体験した事がない男がこれを聞いても「へ~そうなんだ」「たしかに感動するかも」ぐらいが関の山。熱くこちらが語ったところで、新手の新興宗教勧誘者と信者候補のようになるだろう。

これと同じ事がFIREでも起きる。無人島に上陸し、色々体験することで感じる事は、多くの人が異なる。ただ、人生・愛・家族・マインド・ビジネス・運用・法律・税制など無人島には、かなり多く体験できるものが揃っている。

私がFIREと言う無人島には、何もない。と言ったのは、何かがあるから行くのではないということだ。FIREする人の理由は、様々ある。結果的にFIREしてしまう人。FIを目指していたらREした人。最初からFIREを体験したくて実現した人。

FIREは、ライフスタイルの1つであるので、それ自体に目的を持ってしまうには違和感がある。あくまで、FIREを通し、何かを学び、その後の人生に活かす。結婚とはそれが目的ではなく、通過点であるのと同じようにFIREは、通過点に過ぎずそれが目的ではない。

 

FIREは最終的に無職じゃなくていい

FIがあるから無職だと思っている人もいるかもしれない。もしくは、FIだから個人投資家だと思う人もいるだろう。経済的に自立すると言っても、必ずしも無職である必要はない。REと言ってもセミリタイアで良いのだ。完全リタイアである必要はない。

但し、FIREスタート当初は、限りなく無職であってほしい。と言うのも、何もしない贅沢と難しさで書いたのだが、何もしないことから学べる事は多いのだ。誰が言ったか知らないが壺に何かを入れる話と同じなのだ。大きな壺があって、そこに砂を満杯に入れるともう何も入らないが、大きな岩を入れて、次に中くらいの石を入れて、次に砂利を入れ、おまけに水も注げると言うような話だ。

つまり、自分の時間感覚や気力、体力、メンタル、考え方を1回フラットな状態で迎え入れる事。まずは、何も入ってない壺を見ると言う体験ができるのがFIREでもあるのだ。それには、無職になる恐怖やそれまでのストレスが消え去るまでの時間。新しい完全FIREに慣れるまでの時間が必要だからだ。先の記事で書いたが個人的には、6カ月以上下地が整うのにかかった。

フラットな状態になれば、自分自身が岩を入れてるのか、砂を入れているのか。瞬時に分かるようになる。もしも、Web系職業だったり、看護師だったり、士業だったりした時にどういう内容でどういう条件だったら、それが自分にとって岩なのか砂なのか分かるのだ。

これが惰性で生きている時には、分からない人間が物凄く多い。日々の流れやストレスで頭の中のセンサーもメモリーもボロボロな事が多いからだ。正常な、本来の自分を見失っている状態だ。それが本当の自分だと信じている。だから、いきなり砂と言う仕事で壺を溢れさ、愛する人や自分にとって大事なものを壺へ入れていない人間が一般的になってしまった。

多く会うのが手広く事業をやっている経営者だ。私も含め、病気になりながら経営をしている社長も多く知っている。個人的には、内心、経営者こそ最終的に幸せになって欲しいと願っている(統合失調症、うつ病、躁うつ病、パニック障害になりながら経営している社長は少なくない。元気なのは、そういう性格ではなく、病気だからの場合も多々ある・・・)。だからこそ、経営者にもFIREが必要なのだ。

FIREが実現したら、本来の自分を感じ、大事なものを壺に先に入れ、その後、余ったところに入れてもいいものを入れていく。この作業がFIREの醍醐味だ。もう1つ。だからと言ってすぐ満杯にしてはいけない。余力はあればあるほどいい。何故なら、FIREして気付くタイミングが色々と結構ずれるのだ。6カ月後、12か月後、24か月後。まだ入るけど入れないことも体験する1つになる。

FIRE中であっても無職である事は、必要ではなく、少しづつ仕事を入れるのは大いに推奨されるべきだし、仕事をいくつか持つ事を前提とするべきだと思う。但し、スタート時はライトな無職であるべきだ。

 

FIREは人生の指標となりうる

FIRE指針

義務教育から高校、大学と就職。このごく一般的な流れでは、お金や人生、家族、子育てなどの講義はない。その流れで来てしまうと、センサーや頭脳によって気付かなければ、労働マシーンとして企業や国にこき使われる。

あなたの人生を考えてくれる人が今までいただろうか?しいて言えば親ぐらいだろうか。だが、親のいう事だとあてにならないと思っている人も多いのではないだろうか。友達に救われた人もいるだろうが、万人には有効でないため再現性に乏しい。

基本的には、やはり自分で面倒を見るしか無いのだ。国や学校、親には期待できない。多くの人が自分の人生にとって大事なものとは何なのか?大切にすべき考え方は何なのか?問わずに生きてきている。

FIREは、そのきっかけを与えてくれる1つだ。FIRE、つまり無人島へ行くには、準備が必要だ。何があるか分からないし、何が見るかるかも分からないが、得られるものが必ずあるFIRE島。行ってみる事を決断するだけで、あなたの意識がそこにフォーカスする。

つまり、人生への指標の1つになるのだ。目指そうと思う事できっとこうなるだろう。「FIREをする為に必要なものってなんだろう」「FIREしてもこれって必要だろうか」「今この時間ってFIREの為になっているだろうか」「この仕事がFIREの為にベストだろうか」などなど。起こる変化は少なくない。

もう1度言う。FIRE島には、何も無いかもしれない。たどり着けないかもしれない。しかし、FIREを目指す過程にメリットがあり、FIREを実現した時にもメリットがある。メリットと言うのは、相反する物事である可能性もある。例えば、FIREしてたらうつ病になってしまった。と言うシナリオ。

自分と向き合う能力がなければ、道中精神疾患を抱えてしまう可能性も無くはない。思考停止状態で生活し続ける事が合っている人間もいるだろう。どっちが良いという話でもない。そこで得られるものは、「四の五の考えずに労働していたほうが楽」と言う事かもしれない。

ただ、そういったギブアップするシナリオで忘れてならないのが、有り余る時間を得た経験がない事による影響だ。コロナ禍でも多くの人間が自粛にギブアップしているように、うまく時間や環境を使えない人間が多いのも事実だ。何故なら、その経験がない。経験がない事は、最初上手く出来ないのが当たり前だ。よって、早めに切り上げてしまうのは、非常に勿体ない。

こういうと誤解を生みやすいのだが、正直、私はコロナ禍で自分の生活が制限された事のみに関しては、勉強になったと感謝している。行きたい店にも行かず、行きたい場所にも行けなくなったし、子供がずっと家にいる。ただ、日々を淡々と暮らす事で幸福感を引き出せるかどうか。壮大な人生の実験をしていた。

FIREには、色々なレイヤーがあると考えている。年間1,000万使えるFIREした人。年間200万使えるFIREした人。色々な層があるだろう。コロナ禍によって、FIREしている多くの人がミニマムレイヤーで生活をしたはずだ。飛行機は使えない。鉄道も移動も抑制されている。家で過ごすしかない。

子供達や妻と自粛しながら、FIREのミニマムレイヤーを実践できた。別の機会に紹介したいが、こんなにも工夫に満ちた暮らしが出来て、それまでに以上に幸せを感じた。そして、自信につながった。「あれもこれもしなくても素晴らしい生活を送れる」と。

FIREは、道中であっても実現中であっても、通過した後でも人生の指標となることは間違いない。素晴らしいライフスタイルの教科書だと言えるのだ。

 

FIREのまとめ

FIREに関して簡単にまとめたが、ライフスタイルを提案するFIREの概念は、非常に現代にあっていると感じている。コロナで尚更そう感じたものだ。今後も災害、天災、疫病、金融ショック、戦争、環境変化などが起こるだろう。

これらは、人間にはどうしようもない。戦争も一個人がどうこう出来る問題でもない。ただ、FIREの概念が人生に取り入れられていれば、これらに対応できる可能性が高まる。何故なら、FIREは、持続可能性を探求するライフスタイルでもあるからだ。

FIREを通して、これらに対応する術を自然と学べる。しかも無料で。これと言って時間も奪われている気もせずに。では、「じゃあ、どうすればFIREできるのだろうか?」テクニック的なものは、学ぶべきなのだ。自分自身で。FIREに必要な要素を見つけてどうするか判断していくことで、自分自身のライフスタイルを確立させるのが非常に大事だ。FIREは、見知らぬ場所へ旅行に行くのと似ている。何があるか分からないが、きっと行けば新しい発見が必ずあるものだ。

日々、世界も法律も常識も変化していく。いつも教科書や地図があるとは限らない。きっとFIREは、人生における強力なツールになることは間違いない。

連載もの【日本式FIREのすすめ】

 

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